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調剤薬局の承継問題について知っていますか?現状と課題をまとめました

M&A 業種業態別情報

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1.調剤薬局とは?

 

①調剤薬局の基本業務とは


早速ですが、調剤薬局とは、いわゆる薬局といわれる場所で、薬剤師が調剤を行ない、薬を販売または引き渡しをする場所となります。薬局は営業時間内に薬剤師が常駐していることが求められ、薬局の経営者は薬剤師であることが求められます。
薬局の基本的な業務としては、病院で医師などが交付する処方箋に基づいて医薬品を調剤して販売して授与することとなります。薬剤師の独占業務として対面により情報提供や指導を行なったうえで販売・授与ができるとされます。
 

②調剤薬局の利益の源泉


調剤薬局の利益の源泉というのは、調剤薬局が調剤した際の報酬である調剤報酬となります。
厚生労働省が設定した調剤報酬点数により、調剤報酬が計算される仕組みになっています。
​この仕組みにより、どこでも誰でも同じ金額で同じサービスを受けられるという形になっています。
なお、調剤報酬は「調剤技術料」、「薬学管理料」、「薬剤料」、「医療材料費」から成り立っています。調剤技術料は薬剤師の作業料、薬学管理料は服薬指導や薬歴管理の料金、薬剤料は薬の値段、医療材料費はマスクや手袋などの諸費用となっています。
調剤報酬については、医療費の透明性の担保や患者負担額の軽減のために、定期的に見直しがされております。
 

2.調剤薬局の現状と今後の見通し


それでは調剤薬局の現状をみていきましょう。
 

①調剤薬局の利益の圧迫要因


調剤薬局の収益源となる調剤報酬ですが下落傾向になっています。調剤報酬の下落に加えて、ジェネリック医薬品による在庫の圧迫、消費税の増税などが収益の圧迫の要因になっています。
 
また、2019年に厚生労働省から「調剤業務のあり方について」という書面が出され、その中で調剤業務に対して提言しています。
今まで薬剤師しかできなかった対物業務の一部について薬剤師以外でも行ってもよいとされています。薬剤師の調剤業務をサポートする人は「調剤補助員」と呼ばれ、ピッキング作業や数量チェック、医薬品の棚入れや郵送などの業務を行うことができるようになりました。この結果、薬剤師の業務が減少して上述した「調剤技術料」の引き下げも予想されます。

これらの要因により、調剤薬局の収入状況は厳しい状況になると予想されます。

 

②調剤薬局の競争環境

 

調剤薬局市場の競争環境も厳しくなると予想されています。大手チェーンが大手特有の利便性を生かして、集客を進めています。また、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどとの提携を行い、サービス範囲を広げています。
競争が激化することで中小の調剤薬局の廃業、大手の調剤薬局同士の業務提携やM&Aなどが進むことになると予想されます。
また、2018年の調剤報酬の改定が行われました。この改定ではかかりつけ薬局・薬剤師の重要性が改めて示され、在宅医療への関与も高く評価されるものとなりました。その結果、大手のチェーン調剤薬局は点数が取りにくい内容となり、収益性を悪化させることとなりました。
 

③調剤薬局の後継者問題


近年、どの業種でも問題となってきているのが、中小企業の経営者の高齢化による事業承継が問題となってきています。後継者がいれば事業承継は問題とはなりませんが、ここ最近は少子化により後継者がいなかったり、事業に魅力を見出せず後継ぎが拒否されるケースなど親族に後を継ぐことが難しくなってきています。
この問題は調剤薬局でも例外ではなく、同様におそいかかってきています。それに合わせて、上述の大手チェーンの事業拡大も進んでおり、中小規模の調剤薬局は窮地に立たされております。

 

3.調剤薬局の今後の戦略


ここまで調剤薬局の現状と今後の見通しでみてきた通り、厳しい状況となってきています。そこで、調剤薬局として今後のとりうる戦略というのをみていきましょう。
 
調剤薬局の今後のとりうる戦略は以下の通りです。
 
  • 薬剤師の積極採用
  • 地域支援体制加算の活用
  • 医療機関との連携
  • 事業承継あるいは大手チェーンの傘下入り
 

①薬剤師の積極採用


まず、薬剤師の積極採用についてみていきましょう。

調剤薬局では薬剤師が慢性的に不足しています。
2006年に薬学部が6年制に変更されたことや国家試験の合格率の低下などにより薬剤師となる人が抑えられ気味になっています。一方で、ドラッグストアなどの調剤業務進出や大手チェーンの調剤薬局での採用の促進などにより、中小の調剤薬局の採用は定期的に採用できず、不足している状況となっています。

薬剤師の採用は人件費を増加させ、業績を圧迫する要因にはなりますが、一方で採用しなければサービスの質の低下も起こりえます。優秀な薬剤師を採用して、サービスを高めていくということは、業界で生き残れるかどうかのポイントとなります。
 

②地域支援体制加算の活用


2018年に調剤報酬の改定に合わせて、「地域支援体制加算」という制度が新設されました。地域支援体制加算とは地域医療に貢献する調剤薬局に対して、加点を行うものとなります。調剤報酬が下がる要因が増えている中で、当該制度は調剤報酬が上がりますのでうまく活用していけるかがポイントとなります。
 

③医療機関との連携


大手チェーンの調剤薬局が増加や医薬の分業化が進んだ結果、病院と調剤薬局の関係性が薄れてきています。医薬の分業が進みましたが、調剤薬局は地域医療の支える施設の1つなので、病院と調剤薬局の関係を再度構築することで地域医療を支えていきましょう。関係構築ができれば、病院からの紹介された患者を安定的に獲得できるので業績も安定してきます。
 

④事業承継あるいは大手チェーンの傘下入り


また、そのほかとりうる戦略としては、事業承継や大手チェーンの傘下に入ることが考えられます。親族内での後継者がなかなか見つからない状況下となってきている中で、外部への売却などを考えることは自然の流れになります。事業承継も戦略的に考えて、うまく活用して進めていきましょう。
大手チェーンの傘下に入ることにためらいを感じられるケースもありますが、調剤薬局の事業承継の方法、メリット、デメリットなどみていきましょう。
 

4.調剤薬局の事業承継


それでは調剤薬局の事業承継を解説していきます。
事業承継の方法として親族承継と第三者承継に分けることができます。
 

①親族承継


ここまでみてきた通り、親族承継は難しくなってきています。特に調剤薬局に関しては薬剤師の資格が必要となったりするので一般企業と比べて後継者が限られます。
 

②第三者承継


一方で、第三者承継ですが、社内からの事業承継、M&Aによる事業承継、外部からの招聘の3パターンがあります。
社内からの事業承継は、従業員あるいは役員を後継者とする方法なので、引き継ぐ意思のある人に引き継ぐことができます。ただし、引き継ぐには調剤薬局を買い取ることになるため、その資金を準備してもらう必要があります。
M&Aによる事業承継は、買い手を探して見つけ、その会社に買い取ってもらうことになります。そのため、後継者を探す必要がありません。ただし、売却先に自社と合うかわかりませんし、進めるにあたってはM&Aの専門知識が必要になります。
外部からの招聘に関しても、経営者を外から呼んでくることになるので後継者は探す必要がありません。一方で、外部から招聘となるため、新たな経営者と現従業員や役員と合うかはわかりません。それが従業員の不安等につながる可能性があるということがデメリットとなります。


③事業承継の方法


事業承継となると方法は株式譲渡が一般的になるかと思います。事業譲渡などの方法もありますが、事業譲渡となると会社自体は残ってしまうため、適していません。
 

5.まとめ


ここまで調剤薬局の承継問題についてみてきました。
調剤薬局を調剤報酬の下落、大手チェーンの調剤薬局の拡大、地域医療の強化など外部の競争環境の激化により親族内での事業承継が難しい環境になってきています。
M&Aなどで外部への事業承継などを検討して進めていかなければ、難しい現状となっています。事業承継を考え始めたタイミングでぜひ専門家などにご相談ください。

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