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不動産売買と不動産保有会社のM&A メリット・デメリットを比較

M&A 業種業態別情報

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不動産売買と不動産保有会社のM&Aの違いは?

不動産が絡んでM&Aを実施する場合を不動産M&Aと呼びます。一般的なM&Aとどのような違いがあるのでしょうか。また、不動産売買ともどのような違いがあるのでしょうか。不動産M&Aとそれ以外の方法の違いについてみていきます。

不動産売買とM&Aの違い

不動産M&Aとは、企業の保有する資産、また企業が運営している事業を取得することを目的にする一般的なM&Aとは異なり、主には企業が保有している不動産を取得することを目的に実施されるM&Aのことを指します。また、不動産だけを売買する不動産売買とは異なり、不動産M&Aでは不動産を含んだ企業の株式あるいは事業を移動させます。

不動産M&Aの注目される理由は

さまざまな方法がある中でなぜ不動産M&Aが注目されるのでしょうか。

歴史ある会社などでは土地を昔から保有しており、それに伴い土地の含み益が生じています。そんな歴史ある会社も、経営者の高齢化により、不動産の売却や、事業の廃業、あるいは、会社の株式の譲渡などを検討する場面も増えてきました。

会社保有の不動産を個別資産として売却すると、不動産売却益に対して法人税等で30%の税金を支払うことになります。また、売却益により利益が増えると役員報酬などで給与を支払うことになります。そうすると、個人側でも所得税・住民税など合わせて最大で50%の税金を支払うことになります。

一方、不動産を含んだ状態で株式を売却すれば、株式の譲渡益のみに課税されることになります。株式の譲渡益に対しては、所得税・住民税などを合わせても約20%程度となっており、不動産売買と比較して安い税金の支払となります。

また、個人が保有している不動産でも同様のことが生じます。 個人が保有している不動産を相続する場合には最大55%、贈与する場合でも同様で最大で55%の税金を支払うことになります。そのため、その際に備えて多くの不動産を保有する場合には事前に準備をしておいた方がいいでしょう。

不動産売買に向けたスキーム

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では、不動産売買に向けてはどのようなスキームがあり、事前準備など何が必要になるのでしょうか。

A)会社ごと売却

会社ごと売却する方法は、特段の準備が必要なく、簡単な方法にはなります。 スキーム自体はとてもシンプルで、不動産を保有している会社の株式をそのまま売却するため、準備が不要となります。 ただし、不動産以外の事業を売却したくない場合や、複数の不動産を保有している場合などは会社ごと売却してしまうため、柔軟に売却対象を選べません。

B)会社分割後、新設会社を売却

会社分割とは、既存の会社の権利義務の全部又は一部を他社に承継させることをいいます。そして、既存の会社に引き継がせる場合は吸収分割、会社分割により設立させる会社に引き継がせる場合を新設分割といいます。
会社分割では、債権者保護手続きは必要となりますが、個別資産の譲渡とは異なるため、不動産に関連する資産・負債は包括的に引き継がれます。また、税務上の適格要件を満たせば、不動産の譲渡益も繰り述べることができます。ただし、売却を前提にした会社分割は非適格となることがほとんどなので、節税を考えるのであれば早めに切り出しておくことも検討しましょう。

C)新設会社へ事業譲渡後、新設会社を売却

これはB)の方法と近いやり方になりますが、一部異なる点があります。会社を新たに設立して、新設会社に事業譲渡することで不動産を引き継がせるというやり方になります。
事業譲渡を用いた場合には、個別に資産・負債を引き継がせることができるため、複数の不動産を保有している場合でも残す不動産を選ぶことができます。 ただし、事業譲渡を選択した場合には個別の債権者保護手続きなど手続きが煩雑になるので当該手法を用いる場合には留意が必要です。

D)不動産を売却あるいは事業譲渡

個別の資産として不動産を売却する場合や、事業譲渡で不動産を譲渡した場合には、譲渡企業において譲渡益に課税されることになります。先述の通り、この方法を用いた場合には他の手法と比較して、税金が高いというデメリットが生じます。

ここまでが不動産売買に向けたスキームでした。次に不動産M&Aにおけるメリット・デメリットをみていきます。

不動産M&Aのメリット

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では、不動産M&Aにおけるメリットはどのようなことがあるのでしょうか。そしてこのメリットは譲渡企業と譲受企業において異なるので、それぞれみていきましょう。

譲渡企業側のメリット

A)節税効果

譲渡企業においては不動産譲渡と比較して、支払う税金を抑えることが可能になります。先述した通り、不動産譲渡の場合には法人税と所得税がかかることになります。

不動産M&Aにおいては基本的には株式譲渡に対する税金のみになるため、不動産譲渡よりも税金を抑えることができます。

B)廃業コストなどの削減

経営者が高齢者で会社を廃業することなどを検討しているときには、会社を譲渡することで廃業コストなどがかかりません。廃棄コストは設備や在庫の処分、店舗や事務所の原状回復費など廃業するにもお金は多額に発生してしまいます。

M&Aで会社を引き継ぐことができればこれらの費用はかからず、また、引き継いだ会社も新規に費用がかからないため、お互いに良い結果になるのです。

譲受企業側のメリット

A)不動産関連費用の削減

不動産M&Aで不動産を取得する場合には、通常不動産取引において必要となる「不動産取得税」、「登記費用」などがかかりますが、M&Aでは不動産を保有している会社を取得するため、不動産関連の費用がかかりません。

B)取得価格の低下

不動産M&Aでは先述した通り、譲渡企業では節税効果があるため、不動産売却金額が多少下がったとしても売却するという判断をするケースもあります。M&Aを用いることでややこしいイメージがあるかもしれませんが、不動産を安く購入できる可能性があるのでM&Aだからといって断らないようにしましょう。

C)開業コストの削減

M&Aの場合、人や賃貸している不動産、保有している固定資産なども引き継ぐことができるため、会社の開業コストや採用コストなどのコストがかかりません。また、コストももちろんですが、会社として成り立っていれば事業を軌道に乗せるまでの時間がかかりません。

不動産M&Aのデメリット

不動産M&Aもメリットだけではなく、デメリットもあります。それぞれの立場におけるデメリットをみていきましょう。

譲渡企業側のデメリット

A)手続きの煩雑性

不動産M&Aでは会社そのものを譲渡、あるいは、会社を新設してから売却という流れとなるため、手続きは複雑になります。また、買手候補もM&Aとなると躊躇してしまう可能性もあるため、買手探しも長期化する可能性もあります。

これらのデメリットを解消するためには、専門家に相談してスムーズに進められるようにするのがいいでしょう。

譲受企業側のデメリット

A)簿外債務リスク

不動産M&Aの場合、会社を引き継ぐことになるため、従業員の未払残業代や営業債務などの簿外の債務を引き継いでしまう可能性があります。事業を運営しているため、そのリスクは仕方ないのですが、譲受側ではリスクを理解した上で進めましょう。

リスクを下げるには新設会社に事業譲渡をしてもらい、その会社を取得するなどの方法があるので検討しましょう。また、専門家に調査を依頼して相手の会社を調査してもらうことでリスクを下げることができます。

まとめ

ここまで不動産売買と不動産保有会社のM&Aについてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。 売手側からみても買手側からみても、不動産の売買よりも不動産保有会社のM&A、不動産M&Aの手法を用いる方が、メリットが多くなります。売手側からすると手続きが煩雑になり、面倒な手続きもあるかもしれませんが、それ以上に節税などのメリットもあるので検討する価値はあります。

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