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事業承継の問題や方法を解説!

事業譲渡

今日では、事業承継という言葉もかなり浸透してきたように感じます。

ところが、事業承継が具体的にどういうものかを説明できる人となると、まだまだ少ないのではないでしょうか。そこで今回、事業承継とはどういうものなのか、どういう流れで行われるものなのか、について解説していきます。

目次

・事業承継とは?

・中小企業における事業承継問題

・事業承継にM&Aが活用される背景

・事業承継(M&Aの場合)の流れ

  1. 承継のタイミングを計る
  2. 経営環境の整理(現状分析)
  3. アドバイザーの選定
  4. M&Aが可能か確認
  5. M&Aを依頼、継続して会社を磨き上げる
  6. 買い手が見つかった、いよいよ事業承継!

・まとめ
 

事業承継とは?

事業承継とは、会社の経営を後継者へと引き継ぐことを指します。つまりは「社長が変わること」と認識していても問題ありません。


日本M&Aセンターが設立された1991年当時、M&Aは買う側は「乗っ取り」、売る側は「身売り」のようなネガティブな認識を持つ方が多かったようですが、現在ではそんなM&Aのイメージは少しずつ改善されてきたようで、M&A成立件数も年々増加傾向にあります。

 

なかでも、後継者不足で苦しんでいた中小企業が、M&Aによる事業承継を積極的に行うようになったことがM&Aの件数増加につながったともいわれています。

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(資料)株式会社レコフ、1985年以降のマーケット別M&A件数の推移
 

中小企業における事業承継問題

年々M&A件数が増加傾向にあるとはいっても、まだまだ後継者不足に悩む企業の数やM&Aをせずに(もしくは出来ずに)休廃業を選択する企業が多いことも事実です。

 

このような事業承継問題は中小企業特有の問題といわれています。

なぜなら、株式上場している大企業の場合、企業の保有と経営が分離されていて、基本的に社内で適任者が次期社長を引き継ぐからです。

また、株式上場している大企業では、社長=大株主ではないので、財産面においても中小企業に比べて承継がしやすいです。

 

一方で、日本の中小企業は、保有と経営が一体となっており、代表者である社長が大株主である、いわゆるオーナー企業であるケースが多いです。そのため大企業同様、親族外(社員)承継を行おうとすると、以下のような2つの大きな問題が出てきます。

 

一つは、自社株の移転問題、そしてもう一つが、個人保証の問題です。

 

事業承継の問題①:自社株の移転問題

 

現社長が次期社長へ会社を引き継ぐ際に、現社長の株を買う必要があります。

(厳密には買わなくても社長業のみを引き継ぐことはできますが、株を買わないままだと結局現社長が経営の実権を握ったままになるので、ちゃんと事業承継をしたとは言い切れません。)

特に、利益の出ている企業の株式は、その何倍も価値がついており、後継者がそれほどの多額の資金を用意することは決して簡単なことではありません。

 

事業承継の問題②:個人保証の問題

 

中小企業の代表者は、金融機関から融資を受けた際の個人保証として、土地や自宅を担保にしています。そして、後継者にも同様のことが求められます。

個人保証は、後継者にとって精神的にも経済的にも負担であり、本人が了承しても、銀行の与信で認められない場合があります。

 

上記の2つの理由で、中小企業での親族外承継は、大企業ほどスムーズには出来ないとされています。


事業承継にM&Aが活用される背景

 

中小企業では親族外承継のハードルが高いため、事業承継をする場合は親族内承継もしくはM&Aのどちらかに落ち着くことが一般的です。特に、昨今は少子高齢化に伴う後継者不足もあり、親族内承継が出来ないケースも増えてきており、残った選択肢としてM&Aが選ばれるケースも多いです。

M&Aでは、買う側の企業には資金力があるため、親族外承継のような財産面での問題は解決できます。また、買う側の企業の社長が保証人になることを問題ないと判断すれば、保証人問題も抵抗なく引き継ぐことができます。

このように親族内承継、親族外承継における課題を解決できる「頼みの綱」としてのM&Aの活用が増えています。

 

事業承継事業承継の流れ



ここからは、M&Aを活用する場合の一般的な事業承継の流れをご紹介します。

※M&Aの流れは、仲介業者によって異なる場合もあります。

 

  1. 承継のタイミングを計る

事業承継では、承継のタイミングも重要になってきます。何故ならタイミングよく承継することで、より高い値段で株式を売却できるケースや、経営者が引退後に業況を好転しやすくなることがあるからです。

承継に適したタイミングは、以下のような状態が目安です。

 

たとえば、

・後継者が経営を任せられるレベルに成長したとき。(30代がベスト)

・親族内承継→株価が低いとき

・親族外承継→株価が高いとき などがあります。

 

「後継者が経営を任せられるレベルに成長したとき」というのは、言い換えると「後継者が決まったからといって、すぐに譲渡できるものでもない」ということでもあります。

(株)日本政策金融公庫の「中小企業の事業承継」の調査結果では、多くの7割以上の中小企業の経営者は、後継者の育成に3~10年かけているということが分かっています。これは、自らが経営するなかで得た知識や経験を引き継ぐのには最低でも3年以上かかると考えている経営者が多いということです。また、入社後すぐに経営者になると従業員から反発などがあっても困るので、ある程度育成期間を設けているという狙いもあります。

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資料:(株)日本政策金融公庫「中小企業の事業承継」

 

また、2018年の東京商工会議所の「承継の実態に関するアンケート調査」では、30代で事業を承継した経営者は、他の年代に比べ、事業を好転させているというデータや、30代~40代で事業を引き継いだ企業はちょうどよい時期に引き継いだと評価している経営者の方が多いということが分かっています。その反面、20代に承継した経営者は業況を悪化させたり、承継が早すぎたと評価している割合が多いことも分かっています。


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資料:東京商工会議所「承継の実態に関するアンケート調査」P13

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資料:東京商工会議所「承継の実態に関するアンケート調査」P14

 

これらのデータをまとめて考えると、後継者を少なくとも3年以上かけて育成し、30代の間に承継ができるような環境を作っておく、ということが大切だといえます。いずれにしろ早めに事業承継への取り組みを始めて(特に、後継者を見つけることが先決)、やろうと思えばいつでも承継できるような環境を作っておくことがベストのようです。

 

承継のタイミングを決めれば、次に経営環境の整理(現状分析)に移っていきます。

 

経営環境の整理(自社の現状分析)

 

まずは自社が置かれている現状を分析して、課題点や自社の強みを改めて把握しましょう。M&Aでは自社の価値を適切に理解することが重要です。

 

自社の現状を把握する際は、まず以下の点を確認しましょう。

・経営状態(決算書や法人税の申告書をもとに)

・株主の構成(連絡を取れる状態にする)

・債務状況の把握、整理。

 

また、M&Aアドバイザーに相談する際には、以下のような資料が役立ちます。

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(引用)『M&Aという選択』畑野幸治

 

これらの資料は、自社の現状把握に役立ものも多いです。

最初の相談の際に全て揃えておく必要はありませんが、後々揃えていくことになる書類がほとんどです。

ご覧の通り種類が多いので、余裕をもって準備しましょう。

 

アドバイザーの選定

M&Aを成立させるには、アドバイザーのサポートが不可欠です。仮に、自分で買い手を見つけたとしても、条件交渉や契約、法務・税務・労務などに関する手続きには専門的な知識が必要となるからです。

また、M&Aの質はアドバイザーの質に比例するといわれています。つまり、良い承継先と出会うためには、良いアドバイザーを選ぶことが肝要です。そのため、アドバイザーを選ぶ際は、実績(成約率・顧客満足度など)、手数料、情報網(公的機関との連携の有無・独自のデータベースの規模など)を必ずチェックして、安心して任せられるアドバイザーを見つけましょう。

 


M&Aが可能か確認

アドバイザーがついてからは、詳しく自社について細かくヒアリングがあります。(会社の歴史、業績、財務状況など)ヒアリングを踏まえて、M&Aが可能であるか(買い手が見つかりそうか)確認してもらいます。可能である場合は、M&Aを依頼しましょう。

 

ただ、経営者の方には、M&Aをする、しないにかかわらず、自社がその気になればM&Aできるのかどうかを、平常時から把握しておくことをオススメします。

相談料のかからないM&A仲介会社で、その気になれば売れるのか、売れるならいくらで売れるのかを予め査定してもらうのです。もしM&Aができると分かっていれば、将来会社をどうつないでいくかの選択肢を一つ手に入れたことになります。「いざとなればM&Aが出来る」ということが分かれば、経営に集中でき、精神的にも楽になります。

 

また、自社の価値は、内部と外部で評価が異なります。自分たちでは価値あると思っていたものが、意外と外部目線で見るとそうでもないといったこともあります。

もし、そうした課題点が分かれば、経営を見直す一つのきっかけになるかもしれません。是非、早い段階で自社の価値を把握しておきましょう。

 

  1. M&Aを依頼、継続して会社を磨き上げる

M&Aを依頼しても、必ず成約するとは限りません。M&Aは買収する側にも当然リスクはつきものなので、購入金額以上のメリット(例えば、ブランド力の向上や長期的に見て売上の向上が見込める、欲しかったノウハウを得られる、など)がないと判断された場合には買わないのが自然です。買いたいと思ってくれる会社がなければ、M&Aは成立しません。そのため、売り手側の企業は売れるために、会社の魅力を向上させるための努力をし続ける必要があります。魅力的な企業になればなるほど、納得できる買い手は見つかりやすく、高い金額で売ることが出来るからです。

※みずほ情報総研による「中小企業・小規模事業者の次世代への承継及び経営者の引退に関する調査」では、「事業を引き継ぐうえで苦労した点」を調査した結果、28.4%が「承継先を探すこと」と回答しています。

 

良い買い手に出会うためには。自社が良い会社であることが必須条件です。

最善の状態で承継できるよう、常に「財務内容の健全化」「収益力の向上」を心掛けていきましょう。

 

 

資料:みずほ情報総研(株)「中小企業・小規模事業者の次世代への承継及び経営者の引退に関する調査」(社外承継M&Aを行った経営者に対するアンケート)

 

  1. 買い手が見つかった、いよいよ事業承継!

買い手が見つかり、買収監査、最終合意、最終契約書の締結を終えればM&A成立です。

M&A成立後は、買収企業と一定期間(半年~1年程度)の間に、各方面への公表(ディスクローズ)や、業務の引継ぎを行います。従業員の不安やモチベーションに対するフォローアップも不可欠です。

 

まとめ
 

親族内承継や親族外承継、M&Aと様々な方法はありますが、いずれの方法で事業承継をするとしても、早め早めの準備が大切だということは伝わったかと思います。

また、M&Aを依頼してから経営を磨き上げることが大切とは言いましたが、短期間で急激に会社の悪い部分を変えることが難しいのも事実です。そのため、当たり前のことですが、常日頃から健全な経営を心掛ける事がM&Aの成功の一番のカギです。いざとなった時に、胸を張って事業承継することができるよう、この機会に今一度自社の現状を調べなおしてみるといいかもしれません。

事業承継は会社にとっても経営者にとっても、ゴールではなく、新たなスタートに過ぎません。後継者が、会社が承継した後どのように経営していくかを考えておくのと同様、経営者も会社を譲った後どう生きていくかを考えておくことは必須です。

 

「事業承継して良かった!」と思えるような人生を送るためにも、自身の引退後の人生設計も大切にしてください。

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