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M&A PMIとは? 事業譲渡のプロがわかりやすく解説します。

M&A 会社売却の基礎
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PMIはM&Aにとって欠かすことのできない重要なプロセスです。
M&Aと聞くと多くはその契約成立までが話題になりますが、M&Aの目標が達成できるかどうかはPMIが機能できるかどうかといっても過言ではないでしょう。
 
PMIとはPost Merger Integrationの略で、M&A契約が成立した後の譲渡企業と譲受企業の「統合プロセス」のことを呼びます。

PMIは、一般的には大企業同士でのM&Aで必要となるプロセスであり、M&A成立後、何年たっても、「元○○派の人」、「元○○派のやり方」といった会話が繰り広げられないよう、M&Aの成果、両社のシナジーを出来る限り早期に実現することを目的としています。

そのためには、売主・買主の両当事者が、M&Aの計画および契約条件をPMIの実行に向けて綿密に織り込むこと、事業戦略、従業員の意識改革などが実現できるものであることが大切です。

PMIはM&Aの目標達成の時期をできる限り短期間とすることが理想的です。M&Aによる両社のシナジー効果を早期に実感することで従業員やステークスホルダーが安心でき、事業基盤が安定するためです。M&Aの成立後100日以内、300日以内のように短い期限で区切られることが一般的です。

 

M&AのPMIの具体的な手続き

 
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M&Aの手続きでイメージしやすいのは企業買収、事業譲渡でしょう。これらは大手企業が利用する手段として認知されていました。
近年は後継者難にあえぐ中小企業においても会社や事業の存続を図ることで、既存の取引先や従業員の雇用を維持するために、M&Aの手法が活発に用いられています。ここでは企業買収を前提にPMIの主要ポイントを解説します。

 

PMIの手続き概要(1) PMIの計画の方針決定



PMIの実行プロセスは、M&A成立後(買収後)に行われますが、PMIをどのように実行するかの計画を立てるのは契約成立前です。

一般的に、被買収企業・事業の財務、人事、法務など経営に関するリスクの洗い出しと、想定される統合効果を試算する手続きとしてデューデリジェンスが実施されます。このデューデリジェンス情報から、PMIの方針を決定します。
この方針の決定においては、統合を進める手順、優先度、統合の速度などを買収・被買収企業それぞれのトップおよび経営層が、M&Aの最終契約前までに共有していることが大切です。
 

PMIの手続き概要(2) PMIの短期計画の策定(100日プラン)



PMIの短期計画は、通常M&Aの契約成立後から数か月以内の短い期間とし、その期間内にPMIの目的を達成できるようにします。買収側がこの短期計画を発表することで、被買収側の従業員の不安を取り除くことが期待されます。

 

PMIの手続き概要(3) PMIの実行



PMIを成功させるためには、通常、合併であれば買収側の経営手法に合わせて、事業活動および必要とする領域の変化を促すほかに、経営方針・ビジョンなど今後の方向性を買収側・被買収側の経営幹部がしっかりと共有し、コミュニケーションを密にする必要があります。

 

◆PMI 経営面での統合



「経営面での統合」とは、統合後の経営戦略を発表して新会社の方向性を統一する手続きです。同じ業種同士の合併であっても、経営者により経営戦略は異なるのが通常ですので、合併後の新しい経営者のもとで、今後の経営戦略を社内外に周知します。

経営面での統合を実現するためには、経営幹部の協力、現場を指揮するキーパーソンの協力を欠かすことはできません。彼らを新しい経営方針のもとで適材適所となるように配置して、担当部門をしっかりと掌握できるように整備する必要があります。

 

◆PMI 人事制度面での統合



「人事制度面での統合」とは、買収側と被買収側では人事評価や待遇が異なっていることが通常ですので、新しい経営方針に沿った人事制度の見直しを実行することです。

労働時間や勤務日数などの基本的な労働条件や、就労規則などは法令に準拠したものでなければなりませんので、この部分の差を埋めることは難しくないでしょう。

統合により労力を必要とし、慎重な対応が求められる手続きは、給与の待遇、評価制度、退職金制度の変更です。多くのケースでは被買収側の体系が買収側の体系に寄せられていくことになるため、被買収側の従業員にとって大幅なマイナス待遇となる変更を強いることがないよう、時間をかけて調整することが望まれます。

 

◆PMI 業務面での統合



「業務面での統合」の目的は、主に間接部門や合併により多重となる部門の統廃合による合理化です。特にバックオフィス部門である総務・人事・経理・財務、そして情報システムは、業務の合理化と効率化によるコスト削減を実現しやすいでしょう。

フロントライン側では、合併によるスケールメリットを目指して基幹システム系を刷新あるいは機能改善によって、効率的に業務を進めることができるようにします。
このことで、仕入れ、物流、販売、顧客管理などについて、経営統合効果を最大限に発揮できるようにすることが重要です。

たとえば、コスト削減の一環として、仕入先の共通化、取引量を集中することでボリュームディスカウントを目指すなど、取引条件の有利な変更や納期の短縮化を目指します。 

 

◆PMI 全従業員の意識統合



「意識統合」目的は、今後の経営方針、企業文化の融合による従業員同士の一体感の醸成などにより、社員同士の壁を無くすことにあります。
親しみなれた組織に慣れた従業員の意識を早期に変えることは難しいのですが、経営層による社員研修、経営層同士の密なミーティング、社内連絡・広報などを積極的に推進して、できる限り早い時期に従業員の意識が統合されることを目指します。

 

PMIによるシナジー効果の推進

 
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M&Aは必要とする経営資源や手法について、外部のリソースを得ることで、時間をかけて自社でゼロから作っていくことを省略できる手法です。既にその経営ノウハウを持っている事業・企業を買収してお互いのリソースを融合することで、より速いスピードで成長していくことが、M&Aによるシナジー効果です。

 

販売面のシナジー効果



M&Aにより買収会社・被買収会社の顧客情報や販売ルートを共有することで、販売効率の向上が期待できます。
この部分のシナジー効果を生むための難易度はそれほど高くないことが多く、すぐにとりかかることで早期にM&Aのメリットを得られ、社内外関係者の理解をより獲得できるようになるでしょう。
例えば買収企業側の知名度が高い場合では、その知名度を利用して被買収企業の商品を取引先へ積極的に紹介することで、被買収企業よりも有利な立場・条件で取引が可能になります。販路の拡大も期待できるでしょう。 

 

生産面のシナジー効果



M&Aで買収企業と被買収企業が1つになることでよって、生産規模が拡大でき、より品質の優れた商品を市場に送ることでマーケットシェアを向上させることができます。
例えば、仕入れ先を集約して1社あたりの取引量を拡大することで、仕入れ先に対して原料などの価格交渉力が強化されます。工場の集約化により、生産性を引き上げることも期待できます。

 

PMI経営面のシナジー効果



同業種企業のM&Aであれば、それぞれが得意とするマーケットの攻略方法の共有し、両社の経営ノウハウを融合することで、より洗練された経営戦略を実行することが期待できます。
異業種企業のM&Aでは、新しい業界に参入する際に、別の業種で培った経験が構造改革のきっかけになる場合もあります。

 

まとめ

 
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M&Aの目的を達成させるには、PMIを計画通りに実行していくことが必要です。
PMIの計画は買収後に策定するのではなく、経営統合前にPMIのプランを完成させて経営幹部に周知しておくことが大切です。
その理由として、経営統合を終えてからPMIを策定すると、想定外のリスクや突発的に生じる問題に臨機応変に対処できなくなる恐れがあります。課題を積み残したまま事業展開をすることになり、中長期的に経営基盤を揺るがす可能性に発展することになりかねません。

また、PMIを計画どおりに実行するためには、経営者の強いリーダーシップが大切です。現場だけで実行に移そうとしても利害の衝突によりなかなか前に進まないことが多いためです。

M&Aを実施した日本企業1500社のうちわずか36%が成功と評価(デロイトトトーマツコンサルティング株式会社)という厳しい現実は、PMIの重要性を物語っているといえるでしょう。

(出典) デロイトトトーマツコンサルティング株式会社 
M&A経験企業にみるM&A実態調査(2013年)
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/about-deloitte/news-releases/jp-nr-nr20131008-2.pdf

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