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経験者が教える!はじめての「M&A」でつまづくポイントと基本的な進め方

M&A 会社売却の基礎
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M&Aは経営戦略の一つで、その進め方にはいくつかの選択肢があります。
売主と買主が双方納得して最善と考える最も妥当な方法を模索しながら目的に向かって進めていく際に、思わぬ落とし穴が見つかるときがあります。 
 

はじめての「M&A」の進め方でつまづくポイント

 
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M&Aでは手続きの進め方、交渉の仕方、引き渡す会社や事業の価値をどのようにすればいいか分からないことが多いでしょう。知らずにM&Aを進めることで思わぬトラブルに見舞われることがあります。

 

M&Aの進め方でつまづきやすいポイント

 

(1)2/3以上の株式(議決権)を獲得できていない場合


会社の場合、株式の過半数を超えていれば会社の意思決定すべてをコントロールできると思われる方がいます。
原則として、売主側はM&Aのような重要な取引は、株主総会による決議を経てから実行することになります。反対株主がいる場合には、その調整で決議がなかなか進まないときがあります。 

特に会社の事業売却や合併を目的にしたM&Aでは、株主(保有する議決権)の3分の2以上の賛成をもって決議されますので、反対株主が多数いる場合は決議をとることができず、M&Aそのものを実行することができない事態が起こり得ます。

また、中小企業で相続などによって創業者の株式を譲受けている親族が多数いる場合には、利害が一致しないと反対株主になりうることがあります。特に、定款変更で株券を不発行としている会社で株主名簿が整備されていない場合にこのような問題が起こりやすくなります。
 

(2)法令に準拠していない場合



中小企業のM&Aでは創業者オーナーの独断で、必要な株主総会の決議を経ずに事業譲渡などを実施することがあります。
その後、親族などの反対株主から譲渡無効の訴えを起こされると、事業譲渡などが無効になる場合があります。 

また、事業譲渡では競業避止義務がありますが、契約でこの義務を解除しなかったため、売主であらたに創業した事業が競合することになる場合、買主と揉めることがあります。
あるいは、買主側が買収した事業のフランチャイズ契約について、フランチャイザーから契約破棄条項に該当するもの判断され、早期の契約終了を迫られる場合もあります。

 

(3)契約条件の変更を迫られる場合



賃貸借契約や取引先との契約について、改めて契約締結をしなければならない場合に、再契約に伴い事業にとって不利な条件に変更されることがあります。
創業者オーナーのカリスマ性のおかげで市場取引よりも安く取引ができていたような場合や、大企業グループから分離した会社・事業が、大企業グループに属していたことで得られたスケールメリット(借入金の金利、融資枠など)を失う場合などです。

 

(4)契約条件の不備などの場合 



瑕疵担保条項の解釈の相違により、企業・事業評価の変更で売買価格が引き下げられてしまうこともあります。
想定していた売却価格に至らなくなることで、創業者が生活資金を十分に得ることができなくなってしまうこともあります。

また、買主側においては、M&Aの成立を急ぐあまり最終契約書で「表明保証」条項を入れることができなかったため、M&A後になって発覚した簿外債務や想定外のリスクを回避できなくなる場合があります。

※「表明保証」とは売主が提出した資料に誤りがないことを保証させるもので、買主がM&A実行前に確認していた資料と実態が相違する場合(簿外債務など)に、売主に対し損害賠償や、解除を求めるために利用される条項となります。

 

(5)M&Aのアドバイザーの選び方に失敗した場合



M&Aの取引を支援する事業者は、「M&Aの仲介会社」と、「M&Aのアドバイザリー会社」の2種類があります。
仲介会社は買主と売主をマッチングさせることが目的で、アドバイザリー会社は買主か売主の側について他方と取引の交渉をすることが目的です。
両方の機能を持つ会社もあります。

仲介会社は、買主と売主の両方と仲介契約を結んで双方の相談に乗ります。
契約が成立したら両者から仲介手数料を受け取っていますが、中間金、着手金などの支払いが必要になることもあります。
マッチングにより早期の契約成立を優先している場合、十分な協議と理解がされていないことで、多額の手数料を支払ったにもかかわらず、M&Aが土壇場で成立できなくなることや、M&Aの成立後になってからさまざまな問題や課題が生じることもあります。

アドバイザリー会社は依頼主のために動くため、思いもよらない良い相手先を紹介してくれることがありますが、担当者の経験により、契約の進行や相手方との交渉能力に差があるときには、契約が難航する場合があります。

 

(6)M&Aの前準備の過程で情報が漏洩し実行が困難になる場合



M&Aを円滑に実行するためには、通常は社内に知られることがないように情報管理を徹底する必要があります。
ですが、M&Aに必要な資料や情報を集める過程で情報が漏洩することで、社内にM&Aが知れ渡り、従業員の抵抗やキーパーソンの退職によりM&Aの手続きが困難になる場合があります。

 

M&Aの基本的な進め方

 
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M&Aの手続きは中小企業であっても大企業であっても、おおむね同じです。ここでは主要ポイントを解説します。

 

一般的なM&Aの進め方

 

(1)初期検討



M&Aではどのようなことをしたいのか、その目標と方向性を決めることが最初の第一歩になります。
会社の売却であれば、会社の価値がどれくらいになるのかを、時価評価した純資産+営業利益の数年分で計算することで概ねの目安を知ることができます。
事業の拡大を目的とするのであれば、同業者の事業を買収するのか、などです。
 

(2)M&A専門業者などとの契約



ある程度の目標と方向性が決まったら、M&Aの専門業者に相談します。銀行や顧問税理士法人が対応してくれることもあります。
M&Aの仲介事業者を選ぶ場合は、相手先が比較的早く見つかることが期待できます。M&Aのアドバイザリー会社を選ぶ場合は、依頼主の相談に親身に乗ってくれることが期待できます。
専門家の意見を踏まえながら、会社の価値を精査して相手先との交渉価格を設定します。
また、会社の一部の事業の譲渡や分割などでは、M&Aの手続きを進めることを承認するための取締役会を開催します。
 

(3)基本的な条件交渉(トップ会談)



会社の売却を目的としたM&Aでは買収企業(買主)、被買収企業(売主)の経営者か経営層クラスがそれぞれ顔合わせをして、基本的な条件交渉を開始します。
買収企業から財務面などさらに詳細な情報を求められる場合、秘密保持契約を結んだうえで情報を開示することになります。
 

(4)意見表明書、基本合意書(LOI Letter of Intent)の締結



意見表明書は、作成する場合と作成しない場合があります。
契約書ではないのですが、書類として相手に意思を表面しているため、後の変更が難しくなる場合があるためです。 
基本合意書は、最終契約に向けて両者でこれまでに確認した基本的な項目・事項について合意することを目的とした書類です。 
 

(5)デューデリジェンスの実施



対象企業や事業の状況を把握して、どのようなリスクがどれくらいあるのかを把握するための手続きがデューデリジェンスで、必要に応じて行われる手続きです。
例えば大企業が中小企業の人的ノウハウを目的に企業を買収する場合でそのビジネスモデル上、潜在的なリスクが大きくないと見込まれる場合には省略されることがあります。

デューデリジェンスの委託先については、M&Aの案件規模にもよりますが、中小企業M&A規模であれば、中小から中堅規模の会計事務所で対応できます。大規模で複雑なM&A案件の場合には、Big4など大手会計事務所に依頼することになります。
 

(6)最終契約とクロージング



デューデリジェンスの結果を受け、M&Aに問題がなければ、最終交渉に入ります。
主に価格面での交渉が中心となり、買主で何らかの経営課題をリスクと認識しているときは、買収価格を引き下げる要請があります。
あるいはその課題を売主側でM&Aの成立までに解決してもらうことを条件とします。
 

(7)PMI(Post Merger Integration M&A後の事業統合作業)



M&Aにおいて最も重要な段階といっても過言ではありません。M&Aが無事に成立しても、その後の目的が達成できなければM&Aは失敗に終わるからです。

ここでは買主側で最終契約の締結までに明らかになった未解決の課題や問題について、早期に整理整頓をしていきます。合併であれば企業文化の融合を目指すことになるでしょう。

デロイト・トーマツ調査(2001年)によれば、M&Aに成功していると自認している企業は全体の1/3しかないと報告しており、M&Aの統合作業がいかに難しいかを説明しています。
(出典)内閣府経済社会総合研究所
http://www.esri.go.jp/jp/prj/mer/kenkyukai/040308-01-2.pdf

 

M&Aの主な方法



会社のM&Aでは、「会社法」で5つの方法が定められており、M&Aの目的に応じて選択します。
中小企業のM&Aでは、実務上の理由からそのうち3つの手法(株式の売買、事業譲渡、会社分割)が主に採用されています。
 

(1)株式の売買



中小企業のM&Aで最も利用される方法です。これは創業者が株式を売却することで資金化できることが大きな理由になります。次の経営者は議決権を100%取得することが望ましいのですが、少なくとも2/3超を取得すれば株主総会で特別決議を単独で可決することができますので実質的にコントロールが可能となります。
 

(2)事業譲渡



事業譲渡は基本的に契約に定められた特定の資産および負債などを対象としているため、契約以外のリスクを除外できるメリットがあります。事業譲渡により資金化が可能で、譲渡損は課税所得と相殺できる税務的なメリットも検討されます。
 

(3)会社分割



会社分割は包括的に債権債務を買主が引受けるため、簿外リスクや労働者の意見調整を含め、原則として契約をそのまま引継ぎます。M&A前のように事業を継続できるメリットがあります。 
 

(4)株式交換(株式移転)



中小企業においては株式を資金化することができないため株式交換はあまり利用されていません。
株式交換の相手先が上場企業で、株式の交換後に売却により資金ができる場合や、両者の株式交換を通じてお互いの事業を再編しようとする場合などに利用される方法です。
 

(5)合併



中小企業においては、文化の異なる組織を融合させることに多大な労力とコストがかかるため、あまり利用されていません。
中堅規模や大企業においては、主に事業拡大や新規事業の開拓目的で実施しています。 
 
 

まとめ  

 
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M&Aは基本的に買主が異なる事業あるいは文化が融合することでより大きな経営目標を達成しようとする方法です。売主から見れば、株式の売却や事業の譲渡却による資金化、事業の再構築などの目的を目指す方法です。

M&Aの途中でつまづかないためにも、仲介会社やアドバイザリーにまかせっきりではなく、ご自身でも、M&Aで気を付けるべきポイントや、手順といった大きな流れは理解をして進めて頂きたいと思います。

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