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中小企業の事業承継の悩みとは?中小企業が直面する深刻な後継者不足

M&Aとは

j3veb7fhyw6jbfac5h4y-90a75b68.jpg日本における中小企業の割合は、企業全体の約99.7%を占めています。

(平成28年経済センサス-活動調査より)

そんな日本の産業・サービスの大部分を支えている中小企業ですが、

昨今そのような中小企業の経営者たちの多くが頭を抱えている問題があります。
 

それが、後継者不足による事業承継問題です。

 

本記事では、中小企業の事業承継問題において、

特に論点として取り上げられがちな「後継者不足」に重点をおいて解説していきます。

 

目次

大廃業時代の到来

・黒字なのに廃業!?

・廃業を避けるべき理由

・数字で見る、後継者不足の実態

・親の心子知らず

・個人はマラソン、会社は駅伝
 

大廃業時代の到来

超・少子高齢社会となった現在の日本では、経営者たちの高齢化も年々進んでおり、後継者不足や高齢を理由に廃業を選択する事業者も増えてきています。

 

まず初めに、事業承継の重要性を再認識できるデータがあるので、ご紹介します。

中小企業庁が委託調査した「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012年11月、(株)野村総合研究所)のなかで、経営者の平均引退年齢について調査したデータがあります。その結果が以下の図です。

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資料:中小企業庁委託「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」(2012 年11 月、(株)野村総合研究所)

 

調査結果によると、経営者の平均引退年齢は、小規模事業者の場合70.5歳、中規模事業者の場合67.7歳ということが分かりました。

経営者の方々は、定年の60歳よりは平均して7~10年ほど長く働くということが見て取れますが、このデータだけでは、何がそれほど大きな問題なのか、よく分からないと思います。

そこで、別の調査結果もみてみましょう。

 

2017年の経済産業省の調査では、2025年までに約245万人の中小企業経営者が70歳を迎え、そのうち半数を超える127万社に後継者がいないと予想しています。2018年に全国で休廃業・解散した企業は4万6,724件(東京商工リサーチ「2018年 休廃業・解散企業 動向調査」より)ということを踏まえると、現状のままでは今よりかなり多くの企業が休廃業しそうな気がしてきますよね。

日本経済新聞社は、この状況を「大廃業時代」の到来と表現しています。
 

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平成28年度総務省「個人企業経済調査」をもとに作成

 

もし大廃業時代が到来し、現状のまま事業承継が促進されなかった場合、経済産業省は650万人の雇用と22兆円ものGDP(国内総生産)を失われる可能性があると示唆しています。

GDPの減少はすなわち、労働生産力の低下であり、ひいては私たちの豊かな暮らしを妨げる要因にもなります。

そのため、「大廃業時代」の到来を避けるためにも、より計画的な事業承継を行うことの重要性が高まっているのです。
 

黒字なのに廃業!?

これからお見せするのは少し意外なデータかもしれません。

 

まず、日本政策金融公庫総合研究所が実施した「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」があります。この調査では、中小企業の経営者4,104名に対して、事業承継の意向やその理由を回答してもらっています。その結果が以下の表です。

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日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するアンケート」(2015年)
 

「後継者は決まっていない、自分の代で事業をやめるつもりである」と回答した廃業予定企業が50%にものぼり、この調査からも大廃業時代の到来が、そう遠くない未来であることが伺えます。
 

さらに廃業予定と回答した50%の企業に、その理由を調査したところ、最も多かったのが「当初から自分の代かぎりでやめようと考えていた」(38.2%)という回答で、次に多かったのが「事業に将来性がない」(27.9%)という回答で、後継者不足が原因とはいえない理由が1位、2位となりました。しかし、上位3~5番目を見てみると、「子どもに継ぐ意思がない」「子どもがいない」「適当な後継者が見つからない」という、後継者不足を理由とする回答が続き、これら三つの回答を合わせると、全体の28.5%を占めました。つまり、廃業予定の企業のうち約3割は、「できれば廃業したくないけど、後継者がいないので仕方なく廃業」という選択をしているのです。この3割の企業にもし後継者がいれば、廃業せずに済むかもしれません。

 

さて、「後継者がいない」というと、儲かっていないから誰も後継者になりたくない企業ばかりなのでは・・・と思う方もおられるかもしれません。

ですが、実態を見るとそうでもありません。

その根拠は、中小企業庁が発行した「事業継承ガイドライン」にて示されています。

2016年の休廃業企業数は2万9,583件ですが、

驚くことに廃業を決めた企業の半数以上が黒字経営(赤枠)だという調査結果になったのです。
 

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(中小企業庁「事業継承ガイドライン」2016年より)

「業績不振でもないのに事業をたたむ会社の割合がこんなに高いなんて!」と思った方もおられるのではないでしょうか。

私たちの予想をはるかに超えるスピードで、少子高齢社会の弊害が、中小企業の後継者不足というカタチで、すぐそこまで近づいていたのです。
 

廃業を避けるべき理由

半数以上が黒字経営と聞いて、黒字なのに廃業にするなんてもったいない!と思った方もおられるかもしれません。

その通りです。

黒字赤字にかかわらず廃業にすることは、経営者にとっても、社会にとっても、非常にもったいないことなのです。

 

まず、経営者にとって、もったいないと述べたのは、以下の表をご覧いただくと分かりやすいと思います。

(『中小企業の価値を未来につなぐM&A』株式会社経営承継支援編著 より)

 

土地、建物、備品等の資産の処分や原状回復等に、決して安くはない費用がかかることは想像に難くないでしょう。また、引き取り先や処分の業者とのやり取りなど、費用面だけでなく、かなりの手間がかかることも予想されます。そのほか、契約によっては取引先や仕入先から、契約打ち切りの違約金を請求される可能性もあります。そして何より、大きな出費となるのが、従業員への最終給与と退職金の支払いです。特に廃業の場合、会社都合の解雇ということで、再就職先が決まるまでの間、割増金も加算された退職金を支払わなければならないケースもあります。

 

一方、M&Aで譲渡した場合は、違約金や割増退職金は発生しないうえ、社屋をそのまま使ってもらえるなら、原状復帰の必要もありません。仲介会社の手数料が高額であることから、頑としてM&Aを敬遠している経営者の方もおられますが、金銭面や手間を考えると、M&Aのほうが、はるかに合理的だといえることが分かると思います。

※(独)中小機構 事業承継実態調査報告書2011平成25年中小企業白書では、「M&Aに抵抗がある」と回答した経営者は44.1%にものぼります。

 

次に、社会にとってもったいないと述べたことについてご説明します。

廃業は、企業が長年培ってきた貴重な経営資源(技術、ノウハウ等)を他者(他社)に引き継ぐことなく、事業をやめてしまうことを意味しています。

私たち人類は、これまで先代が残した技術や知恵をもとに、新たな発見・発明を繰り返し、さらなる発展を遂げてきました。つまり、企業の経営資源を次世代に引き継ぐことは、持続的な経済の発展につながり、将来の私たちの豊かな暮らしを支えていくことになるのです。

廃業は、その持続的な発展の手がかりを一つ失ってしまうことだと考えると、社会にとっても大きな痛手ですよね。

そのため、日本では国を挙げて事業承継問題に取り組んでいると私は考えています。
 

数字で見る、後継者不足の実態

さて、冒頭から耳にタコができるほど「後継者不足、後継者不足」と述べてきましたが、

一体どれほど深刻な後継者不足なのかを、過去からの変遷とともに具体的な数字で見ていきましょう。

 

2017年度の帝国データバンクによる「後継者問題に関する企業の実態調査」では、社長年齢が判明した約30万社を対象に、社長年齢別の後継者不在率を調査しています。その結果が以下の表です。

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(帝国データバンク「後継者問題に関する企業の実態調査」)
 

まず、一目見てわかる傾向としては、年齢が高くなればなるほど、後継者不在率が低下していくということです。一般的に、リタイアの年齢が近づくにつれて、事業承継への意識が高まるのはごく自然なことなので、この傾向は当然の結果といえるでしょう。

 

次に、60代~80以上の後継者不在率の変遷を見てみましょう。あれほど少子高齢化で、年々後継者不足が深刻化しているといっていた割に、60代以上では後継者不在率は2011年~2016年の間、ほとんど変化が見られません。これに関しては、あくまで私的見解ですが、政府による平成21年度の税制改正により、贈与時に税負担なく株式を承継することが可能となったことで、事業承継に対するハードルが低くなったこと、高齢経営者の事業承継への意識が高まったことが、後継者不在率の上昇を食い止めているのではないかと考えています。

しかし、それでもリタイア平均年齢とかなり近い「60 歳代」でも半数以上、リタイア平均年齢を大きく上回る「80 歳以上」でも3 社に1 社は後継者不在であるため、決して低い数字とは言えず、事業承継問題が落ち着くにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

親の心子知らず

経営者の方が、事業を承継するうえで最も気にするのは、「誰を後継者にするのか」という点だと思います。

以前、リタイアを視野に入れて後継者を探している経営者の方と話したときに、その経営者は「自分が一から作り上げた会社を他人に渡すのは気が進まない」と述べられていました。

このような考え方の経営者が多いことは、中小企業庁の「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会(第一回)資料3」からも読み取れます。


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(中小企業庁:事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会(第1回)資料3より)

 

このデータから、後継者の候補として、経営者の親族の方々、とりわけ息子・娘を後継者として選ぶ経営者が多いことが読み取れます。特に、経営者としての在任期間が長ければ長いほど、親族に内部承継していきたいという経営者の割合が顕著に高くなることも分かりますね。

M&Aよりも廃業を選択する経営者が多くいるのも、「自分が一から作り上げた会社を他人に渡すのは気が進まない」と考える経営者の方が多いからだと思います。会社への愛着や情熱があるからこそ、事業承継問題が一筋縄では解決できない難しい問題なのだと改めて感じます。
 

しかしその一方で、そんな経営者の気持ちとは裏腹に、親の企業を継がない選択をする息子・娘も多いようです。(株)ニッセイ基礎研究所が実施した「働く人の就業実態・就業意識に関する調査20」(2004年12月)では、親が事業を行っている就業者に対して、親の事業の承継意思について調査しています。
 

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(株式会社ニッセイ基礎研究所「働く人の就業実態・就業意識に関する調査20」をもとに作成)

 

その結果、「承継者は決まっておらず、自分は承継するつもりはない」と考えている就業者は49.5%と半数近くいることが分かりました。また、男女別に見てみると、男性の方が「自分が承継することが決まっている」、「承継者は決まっていないが、自分が承継してもいいと思っている」と承継に対して前向きに考える人の割合が高くなってはいるものの、それでも承継するつもりはないと答えた人が45.8%と約半数いることが分かりました。

 

親の事業を継ぎたくない理由としては、「親の事業に将来性・魅力がないから」という回答が45.8%と最も高く、次いで「自分には経営していく能力・資質がないから」が36.0%となっています。どうやら現状の赤字、黒字は、息子・娘が承継を考えるときに、最重要視している項目ではないようです。

息子・娘に事業承継したい経営者の方々が取り組むべきことは、将来自分もお父さん、お母さんの会社で働きたい!会社を経営したい!と思ってもらえるように、心から仕事を楽しんでいる親の背中を見せることが、事業承継の近道になるのかもしれません。

 

・事業承継の3つの方法

前項では後継者が親族の場合の話をしましたが、実際の後継者候補としては以下の3通りが考えられます。

 

・親族内承継

・親族外(従業員)承継

・M&Aによる第三者への事業承継

 

後継者となる人間が家族や親せきにいる場合は、親族内承継という手段があります。

前項でも述べましたが、主に息子・娘を後継者に選ぶ経営者が多いです。

 

親族内承継ができない場合は、社内にいる人材に経営を任せていくという親族外(従業員)承継という方法があります。メリットは、すでに会社で働いている人間なので、自社についての情報や知識を知っているということです。また、従業員の皆さんともすでに面識のある人なので、人間関係で問題が生じないかなど日頃の仕事ぶりを見ながら判断できるということも、親族外(従業員)承継の大きなメリットです。

しかし、実態として、この親族外承継はかなりハードルが高いものとされています。その理由は、中小企業の場合、大株主、連帯保証人が社長であることが多いからです。株価が高すぎて、次期社長がそれを買う資金がなければ困難であり、また借入金がある場合、連帯保証人になるなど、かなりの資金や覚悟がなければ承継が困難だからです。

 

親族内承継と親族外(従業員)承継は、いずれも経営者個人で探すことが出来ますが、そのどちらも厳しい場合は、M&Aをして第三者に承継する方法があります。M&Aのメリットは、「廃業を避けるべき理由」の段落で述べた通りです。

 

どの方法を選択するか、また事業承継をするかしないかは経営者の判断になりますが、情報を得る前から、偏ったイメージだけでM&Aの選択肢を初めから持たないことは非常にもったいないことだと思います。子が継がないなら廃業!と選択してしまう前に、M&Aに明るい人に相談してみるのも一つの手段です。
 

個人はマラソン、会社は駅伝

長くなりましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

中小企業における事業承継について、

少しでも参考になったと思っていただけていれば幸いです。

 

最後に、(株)イシダの四代目社長である石田隆一氏が、ご自身からご長男へ事業承継をする際に述べた言葉があります。経営者にとって事業承継がどういう位置づけのものかを考えさせられる文章ですので、こちらを紹介して、締めくくろうと思います。

 

私は「個人はマラソン、会社は駅伝」と思っています。会社は絶えず革新を経て永続していかないといけない。バトンを努力して次の人に継いでいくべきだと思います。以前、親しくお付き合いをしてきたタナベ経営の田辺さんからいわれました、「社長の点数を100点満点で評価すると、頑張ってここまで会社をしていたということで50点。後の50点は、しっかりした後継者をつくって、それにうまく譲れるかどうか。今のままでは、せいぜい50点止まりですよ」と。これが頭にこびりついていまして、きちっとやっていかないといけないと思いました。ということで、このたび譲ることを決心したのです。

(石田隆一「企業の永続と発展」事業承継 Vol.1 一般社団法人 事業承継学会編(2012年)31頁)

 

 

自らが経営の場から離れても、会社を継続して発展させてくれるような後継者を見つけること、それは経営者が果たすべき最後の責務ではないかと思います。

 

実際に、国内企業の3分の2が、後継者難の状況であり、現代の事業承継では、もはやM&Aなくして事業承継問題は解決できない時代になっています。

 

もし、後継者難による廃業を考えている経営者の方がおられましたら、

 

第三者への事業承継(M&A)という選択肢も、視野に入れてみるといいかもしれません。

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